[ 2005年 02月 ]

02月01日 (火)   

 どうですかぁー!! いいでしょうー!!
今月のTOPの画面はSPITZ ツアートラックです。1号車から4
号車までこの10tトラックたちが全国を巡ります。いろんな街で組み立ててはバラし、組み立ててはバラし・・・一夜だけの素敵な空間を作るセット・PA・照明etcをぜーんぶ乗っけて走ります。見かけたら手を振ってやってください。

今日も千葉でライブがありましたが、ぼくは家で先日鎌倉のライブの写真を仕上げていました。

それと明日の鎌田ひろゆきさんのロケの準備をしています。それではまた・・・

02月03日 (木)   

 えーと、昨日はこの日記までたどり着く時間がなかったので明けて3日となりました。
昨日2日は予定通り鎌田ひろゆき氏の撮影。
中目黒でPm1:00に待ち合わせ、一時間半くらい撮ってビールで乾杯・・・おっと陽が暮れてきたぞということで渋谷へ移動して撮影・・・それからお茶休憩。下北沢に降り立った時はとっぷり日も暮れて、今度は焼酎で乾杯。ついつい酒が入り話し込んで・・・おっと次の撮影場所の約束の時間が過ぎてしまったわい!!
急いで行って酔った勢いでバシャバシャバシャッ!!と撮影終了・・・その店で今度はバーボンで乾杯!!
 えーと飲んでるんだか、写真撮ってんだか?
最後は何を狙いで撮ってたんだっけ?
で悪のりの撮影もして、ちゃんと493カットを撮ったわけで、完璧でオジャル。

 あー、あッ・・・ただ単に飲んでたわけではないのよ。
人は撮られるときには緊張するもので、俺なんかいざ写真を撮られる立場になると何もできないわけで、ただただピースサインをだすか満面の笑みしかないわけよ。
 ましてやそこから何か情感を出すとなれば撮る側も撮られる側も照れをなくして、その上で両者が探りながら一つの瞬間にたどり着くという感じ?
そのための緊張をほぐす意味でのお酒?かな・・・でもほぐしすぎて緊張感がなくなったりもしたりして・・そんなやりとりをして撮影は進むのでした。と

しかしながらこの方法はいつもやってるわけではなく長年やってくるといろいろな引き出しがあって仕上げの完成形をすでに頭の中で計算しつつの撮影で、ただ一枚にたどり着くための一つの方法。釣りで言えば針とかリールとか餌とかルアーとかを変えていきながら、目指す獲物にたどり着く感じに似てるかもな。

ということでこれを書いてたら何年か前に小山卓治さん のサイトのフレンドに登場させてもらったのだが、そのくだまき対談の中でカメラマンという仕事のことだとか、引き出しのことを言ったなーと思いだしたので写真に興味のある方はそちらをどうぞお読みくださいませ。
(ほとんど参考にはならぬとは思いますが・・・その時も独自の方法を酒飲んでくだまいてただけですので・・・でもほんとに時々、キラッとするものがあったと思うんだけどなー? )


ということで、鎌田ひろゆきのCDアルバムの発売は5月くらいになっております。
写真もぜひ見ていただきたいので、こぞって皆さんご購入よろしこです。

で、昨日一番偉かったのはお酒を6、7杯で引き上げたこと。
俺はやはりお酒は好きだけど弱いから10杯超えなきゃいいんだな。
15杯過ぎるとそれだけ時間も経っているんだろうししゃべり倒して疲れ、胃も肝臓も疲れるというわけだな・・・昨日のおれは偉かった!!
撮影中に出会った天使・・・・
撮影中に出会ったきれいドコロ・・・
ピースを出す鎌田・・・とる内藤!!

02月04日 (金)   

えーい!!っ 特別に一枚!!っ

2日に撮った写真を特別に見せちゃう!!

まだまだたくさんあるから、いいのだ!!  でももしこの写真がアルバムに使われてたらごめんね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と思ったけど、それでもいいのだ!!

なかなかヨイでしょう。・・・でもまだこれから手を加えていって完成するのだ。
写真は撮った時は、ただの素材を集めたということで、一般の人はそのままプリントして終わりなのだが、これからがはじまりなのだ!! 要するにレコーディングで言うと原曲にギターをかぶせたりピアノやキーボードの音色をかぶせたり声をつややかに録り直したり各音を広がりのあるようにミキシングしたりするのと一緒で、これから質感や色具合や撮った写真の中から被写体を含めた総合的に力を持った写真をセレクトしていったり、いろいろ調整していって一枚が完成するのだ。

上の写真もいい線きているが、いまひとつまだ何かが弱いので、お味噌のように熟成させて、ある一定期間置いて育ててその後、力づけの最終仕上げに入るのだ!! 以上マル。・・・・ワンポイント写真が出来るまで講座でした。
 
註・・・これは僕が20代前半によく使っていた手法・質感であります、再現してみました。
     モノクロの荒れた感じのグレートーンを失くし白と黒のみで、まるでコピー用紙のような写真。
     ロック系のアーティストによく使った・・・

02月06日 (日)   

そして旅に出ます。  それではまた・・・

02月10日 (木)   

えーと宮崎に来ています。
久々に海の青さが入った写真が撮りたくなり、SPITZの連中と日南の方でロケをしてました。
しかしロケハン日は雨で鉛色の海が青くなることを想定してのロケハン。そしてロケ日に雨が降った場合のことも考えての場所も確保しつつである。ツアー中のこういったロケでは、ロケ日決めうちなので雨だろうが晴れ・曇り・雪・・何がきても柔軟に対応していくことと、メインはあくまでライブツアーなのであるから、本人たちに負担にならないように時間も短めにサクサクサクと撮れる体制も作るのである。そんな海の青願いも届いてかロケ日は快晴。サクサクと撮影をしておいしい地鶏にビールで乾杯!! そしてまたおいしい地鶏の炭火焼と焼酎・・それでチビチビやるとなんとも幸せな空間が訪れるのであった。  そして雨用にロケハンしていた場所は取り残されたのである。が、しかしこれがまたいつかのロケ場所財産になるのである。  
のハズである・・・

この地は公私ともに何度も訪れている・・・ロケハンをしたあとの夜は坂元画伯と会った。画伯との関係はなんとなく益子ふれあい郷のHPに載ってるのでここでは省くが、他人だけど僕の兄貴のような存在なのだ。絵や陶芸をベースにした造形作家なのだが50も後半にさしかかる今も意欲的に作品作りに励む・・・一般社会人としては失格なのだが、実にまっすぐ芸術に没頭できるその姿勢はただただ励まされるのだ。
ぜひこの人も折りをみて CREATORS で紹介したいと思っているわけで、ここでも地鶏に焼酎チビチビ・・実にしあわせ空間なのである・・・が2月に大人になった自分は深酒をしないのである。

9日は宮崎市民文化ホールでのライブ。
東京近郊のライブを終えての長旅の始まりである。こうやって地方に来ると「あーツアーが始まったなぁー」とまた違った感動で音に包まれてしあわせなのである。
この日はサッカー北朝鮮であったが、ライブとピッタシカンカンの時間帯でまったく見れなかったので感想はのちということで・・・
今日から僕は別行動で広島へ・・・在来線を使ってののんびり旅である。
新幹線も飛行機も速くて便利で快適ではあるが、在来線での移動は好きで違った時間の感覚が味わえる。情報も移動も高速化のなか、たまにはこうしたのんびりゆっくり移り変わる景色も感じるのがいい。SPITZとはまた博多で合流する。
待ってろよっー屋台である。
・・・旅の写真はまだまとめてないので、のちということで・・・・

02月21日 (月)   

 ウヒャーです。お久しぶりです。10日あまり空いてしまいました。すまんです。
旅から帰ってきて、仕上げ仕上げ仕上げの毎日で・・・旅で撮影してきた分、いろいろと仕上げては納品を繰り返し、まだ仕上げ作業は果てしなく続く中、この日記までたどりつく精神的な余裕がなく今日になってしまいました。
今日もこれから朝まで仕上げ作業です。そしてまた撮影もやってきます。そしてまた仕上げ作業の毎日・・・。
ほんとうに今月のサブタイトル通りの日々になっております。

そういえば、3月5日にはあんべ光俊さんのライブで久々に盛岡遠征が決まりました。わたしは前の日のゲネプロから現地入りします。また久々に会う楽しい仲間たちの顔が浮かんでおります。待ってろよーワンコソバ!!でございます。べつに食べないと思うけど・・・
今月はあと6つくらいの仕事の仕上げをしなければなりませんです。
そんな時は、日々仕上げていく意外なにもないので、日記も書くことがなく、ただただ仕上げに没頭している日々しかないので・・・なんとなく変化に乏しいこの日記です。
書き出せば福岡のことや何かとあるのですが・・今は仕上げの方が先でありますので、書く旬をなくしてしまうと行った所なのでしょうか?

02月27日 (日)   

 どうですかあっー!! これが20日間熟成させて出来た写真です。2/4の日記の写真と見比べてくださいね。一番左の人の表情が効いています。この写真はたぶんアルバムのバックインレイ(裏表紙)に使用されると思います。
昨日、鎌田さん本人と最終的に仕上げた出来たてホヤホヤです。今日にはデザイナーさんの手に渡り最終的なデザインが施されます。アルバムジャケットの表紙の写真もブックレットの写真もなかなかお気に入りの写真が出来ました。5月?の発売日が楽しみです。
(いつ発売なのか? 聞くの忘れてました)
 
週の前半はBBSでもアラカワデザイナーからのメッセージどおり、SPITZの宮崎ロケの写真を2日間の徹夜を経て仕上げて納品。そのまま浜田省吾さんの撮影で12時間。内容はいつも通り明かせませんが、モウロウとした寝不足のなか、すばらしく幸せな時を過ごしました。本当に次のツアーは、すごく意味のある充実したツアーになることを確信し、すでにオーディエンスのキラキラとした瞳が見えてきました。オーディエンスのひとりひとりにとってもすごく意味深い感動が生まれる予感がしてきました。躍動感がさらに加速しました。
・・・そして週の後半は2日半は鎌田DAYS。昨日の夜は仕上げ終わった後、気を失うように寝ました。SPITZも、浜田さんも鎌田さんも僕にとってはどれもが大切な音楽で、片や大メジャーからの発売!! 片やインディーズからの発売ですが、僕にとっては何も変わらない。アーティストに対する姿勢は一緒です。
ひとつひとつの写真をアーティストの目的意識と一緒になって創作していく、ただそれだけです。
 2月は完全なるアーティスト月間になりましたが、それを続けていくと何も関係ない旅に出たくなります。はたまた女性の写真も撮りたくなります。大森響子さんの撮影もしたいのですが、なかなか時間が取れません。そうやってエネルギーをためて撮影の時はぜんぶ放出します。大森響子さん待っててくださいね。
 といっても3月に入ってすぐに、あんべ兄ぃのライブで盛岡送りです。それが終わると今度はまたSPITZのツアーに合流致します。こうやって月日があっという間に流れ、日記もついつい抜けがちに・・・・

然るに旅に出たいのだ、どこに行こうなのだ、3/30の対バーレーン戦のチケットもハズレてしまったし・・ああ悲しい。
何処へ行って、このうっぷんを晴らすかだなっ!!

02月28日 (月)   

 BBS、No.87と94にてDrumerさんからのお便りをいただいた。
カメラ機材等の質問をいただき、いろいろ機材チョイスで考えてらっしゃるようだ・・・。
ギターの写真というのは、ギャラリー・浜田省吾の最初の写真。
機材ついでに、この写真はローライフレックス planer2.8Fという中判(6x6)二眼レフで撮影したもので、60年代製造のクラシカルなカメラ。しかし僕の所ではまだ現役バリバリの愛すべきカメラです。
あと僕の機材をざっと書くと、その他にハッセルブラッド、ペンタ6x4.5、マミヤRZ6x7が中判カメラ。大判カメラは4X5カメラ・レンズ一式。35mm判はキャノンとニコンがたくさんいる。あとコンパクトカメラはContaxT2とデジカメのニコンCoolpix5000、ポラで面白い味の出るSX-70、パノラマ写真を撮るWIDELAX、あとオモチャ玩具のLOMOカメラとホルガも仕事で使う。デジタルは現在ニコンD100、レンズはデジタル対応を揃えた。壊れてしまったカメラも入れて全部で40台くらいのカメラがいる、当然一番大事なレンズもごろごろのたくさんいる。それを仕事の内容やコンセプト・状況により使い分けている。

 とここまで書いて、写真に興味のない人はなんのこっちゃ? さっぱりわからん?であると思うが音楽で言えばギターの種類やアンプ・エフェクターの種類のようなもの。なにげないギターチェンジも曲や音色に合わせてアーティストは変えていく。それがミージシャン全員が相まってひとつのサウンドが生まれる。

 そこでふとっ、気づく。
ミュージシャンの持っている機材も実に50年代・60年代・70年代のものが多い。そこに魂を感じているのと音の完成度があるからなのか? ぼくはミュージシャンでないからわからないが・・・
 僕のカメラも、ローライやハッセル、ニコンは50・60年代のものである。
特にハッセルブラツドは一貫してモデルチェンジがないのである。マイナーチェンジはあるものの、その当時からのレンズ、フィルムマガジンすべてが今もそのまま使える。ベースデザインが50年間変わらない世界のプロカメラマンがあこがれる超一級品のブランドなのである。レンズもボディも素晴らしい精度で創られている。使い回していっても安定感はバツグンの逸品であるのだ。
 ニコンもNikonFを、ここぞという時使っている。NikonFというカメラは、今でこそ日本は世界屈指のカメラ製造国だが、その出発の原点とも言うべき名器。60年代ライカと並んでベトナム戦争で活躍、一躍世界から注目を集めた名器である。とにかく壊れない。戦争という悪条件のなかでも壊れない日本が誇る名器なのだ。

 そうやってデジタルの世の中になりつつある昨今だが、確実にアナログも君臨しているわけで、両者が相まって一層写真が楽しめればと思うわけであります。
しかしながらデジタルはまだまだ発展途上中・・・半年・1年前のものは古くなっていきます。まだまだパソコン同様・・・日進月歩の日々が続くわけです。
それでも、ここ数年のデジタル機器の発展はすごくて、やっとカメラもプロとして使えるようになりました。
が、しかし後はカメラの耐久性だよね。高価なデジタルも全部電子部品な訳でそれが何年もつのだろう?と思いつつ使っているわけです。プロの荒い使い方にどこまで耐えられるのだろう? 
資本主義の使い捨て文化の象徴にならなきゃいいけどな・・・です。パソコンのゴミの山を見ると非常に便利ではあるけれど、すぐモデルが古くなって使えなくなってしまう・・・もうひとつ言うと日本のメーカーで使い捨てられるようなカメラが多い・・まぁデジタルにたいして試行錯誤しているのだろうけど。
携帯もビデオ(今はDVD)もハイビジョンも車も物という物が資本主義の競争の原理だけに乗っ取ってモデルチェンジを繰り返してる。そうやって文明は進化していくのかもしれないけど新しい物ばかり追いかける人種も現れてくる。
薄っぺらな文明の上にある薄っぺらの文化と思えてくる。
 音楽にも言える・・・ヒットチャートに乗っかっては消え、乗っかっては消え、まるで使い捨て音楽のように一つの曲が消えていく。
60年代、NikonFのようにメーカーが技術者が、なにか大きな目標に向かって作られたカメラとレンズ、そして壊れないボディ。そんな壊れないカメラを作ってしまうとメーカーの売上げは確かに鈍るのかもしれないけれど・・・そんなにメーカーも大きくならなくていいじゃん!!・・・それより誇りを持った製品を創り上げてほしいと思ってしまう。

 ハッセルもフェラーリもルイ・ヴィトンも素晴らしい技術者がいる誇りを持ったメーカーであるからブランドとして世界が認める。日本のメーカーも60年代からHONDAもNIKONもSONYも素晴らしい物を作ってきたはずなのに、どうも最近モデルチェンジラッシュばかりで全部が使い捨て小物化してきているような気がする。
 その最たる物が携帯かもね、半年・1年でどんどん新しい機種が発売され使い捨てられていく。

なにか最近の音楽の世界にも共通するものがあるなと思う。
そのなかで昨日の日記の続きぽくなるけど、長く続けてている浜田省吾やSPITZや小山卓治やあんべ光俊や鎌田ひろゆきetcらが、それぞれの場所で見つめ、それぞれの愛する楽器を持ち奏でる音楽に、すごく意味があると痛切に感じる昨今なのです。1年、5年、10年、20年、30年経っても色褪せない楽曲・音楽がある。ビートルズもディランもスプリングスティーンも僕のなかでは色褪せない。
昨日もディランのハリケーンを聴きあのエッジの効いたボーカルに、そして当時の演奏に震えて感動した。スプリングスティーンのリバーも久々に聴いた。前者は1976年。後者は1980年の曲である。大きな大きな楽曲であり音楽であると思うのだ。
 デジタルカメラもあらゆるデジタル機器も、まだ発展途上なのだから仕方ないけど、ハッセルブラッドのように自分と同じ年齢でも、いつまでも輝き、
フォルムも非常に美しく、レンズも群を抜いてすばらしく、そんな愛すべき一緒に道を歩んでくれるデジタルカメラの出現を期待する毎日ですよね。
 ハッセルブラッドやローライフレックスやNikonFからは勇気ももらえるものね、ほんとうに美しいカメラなのですよ。

 そうやってミュージシャンもカメラマンもおのおの一つの音や絵の質感にこだわって、愛すべきギターやカメラを持つ。その歴史的な背景に物語を内包しながら2005年の音楽や写真が創られてるということかな・・・温故知新って感じ?

 写真やカメラや音楽の話を書き始めると止まらなくなりますが、今日はこの辺で・・・今月もこの辺りで・・・
また機会があったら、書き綴ってみたいと思います。Drumerさん、音楽に写真、楽しんで頑張ってください。